【ドイツで出産】助産師に産後のアフターケアを拒否された、、、Nachsorgeの行方は?

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あらすじ

緊急帝王切開で出産後、生後3日で
息子の体重が出生体重の10%以上減ってしまう というハプニングが発生。
 
「明日までに体重が増えなければ入院延長!」と言われたものの
思いやりのないヘバメ(助産師)マズイ病院食に精神的にも肉体的にも疲れ果てていた私は、医者の反対を押し切り予定通り入院5日目に退院。
 
住み慣れた快適な我が家に、旦那が作った美味しいご飯。
 
私と旦那と息子、家族3人だけの穏やかな時間にとてつもない幸せを感じていたんですが、、、
退院後、すぐに再びヘバメに関する問題が浮上します。
 
 

ヘバメによるアフターケア制度

ドイツは日本に比べると産後の入院期間が短いですが
その分退院後にヘバメ(助産師)によるアフターケアを受けるのが一般的となっています。
 
これは産後にヘバメが自宅まで赤ちゃんとママの様子を見に来てくれる というもので、ドイツ語ではNachsorge(ナーハゾルゲ)と呼ばれます。
 
ドイツのこのアフターケア制度のいい所は:
  • プロの助産師が産後の大変な時期に家まで来てくれる
ことと
  • 健康保険が適用されるので自分で費用を払わなくてもいい
という点。
 
ヘバメによるナーハゾルゲは義務ではありませんが、ドイツではほとんどのママ・パパが利用している制度です。
 
Nachsorgeを担当してくれる助産師は出産前の妊娠中に探すのが一般的ですが
近年ドイツではヘバメ不足が深刻化しており、特に大都市では妊娠発覚直後に探し始めないとNachsorgeのヘバメが見つからない といった問題も起こっているようです。
 

ヘバメのTさんと私

、、、私が住んでいるのは田舎なので、幸いヘバメ不足はそこまで深刻ではないようで。

 

妊娠初期を過ごしたタイから帰ってきた妊娠5ヶ月の時に、1人の助産師に連絡を取りました。
 
この女性が私のヘバメなのですが、この人を仮にTさんとします。
 
去年はじめて妊娠した時にTさんのことをネットで見つけ、私から連絡を取りました。
 
その時は残念ながら8週で流産してしまい、結局Tさんとは会わないまま終わってしまったんですが、、、
 
今回妊娠した際に再び連絡を取り、出産前に1度自宅に来てもらって短い顔合わせをした後に正式に産後のNachsorgeをお願いしていました。
 

退院後、Tさんに連絡

Tさんは助産師として私が産んだ病院でも働いていたので、産後の入院中に1度だけ顔を合わせる機会がありました。
 
その時は産後のケアについては話し合わず、退院したその日のうちにWhat’s App(海外版のLINE)で
「無事に退院しました。アフターケアにはいつ来ていただけますか?」と私から連絡を入れました。
 
その時はすぐ『明後日の午後、病院でのシフトの後に行きます』と返事があったのですが、、、
 

産後のアフターケアを拒否される

しばらくすると、再びTさんからメッセージが。
 
『病院の同僚のヘバメに聞いたんですが、赤ちゃんの体重が出生体重から10%以上減ったのに医者の反対を押し切って退院したそうですね。
一言くらい相談があっても良かったんじゃないでしょうか。
そういう事であれば、Nachsorgeの役目を降りることも考えざるを得ません。
 
、、、といった内容でした。
 
Tさんのこの突然のメッセージに、私も旦那もビックリ。
 
というかそもそも、私達には自分がいつ退院するかをヘバメに相談するという発想自体がありませんでした。
 
、、、ものすごく困惑しましたが
いろいろと考えて旦那がTさんに返事を書きました。
 
「退院について相談しなかったのは申し訳なかったです。
役目を降りたいと言うのであればお引き止め出来ないとは思いますが、ただ私達としては以前からお約束していた通りあなたに引き続き産後のアフターケアをお願いしたいと考えています。
入院中、最後に診ていただいた医師にも『自分は退院を止める立場だけど、(息子は大きく産まれたし)悪い予感はしない』と言っていただいています。」
 
といった内容でした。
 
それに対してのTさんの答えは短く
『私は降ります。責任を取れないので。』
というものでした。
 

ものすごくショックだった

Tさんが以前から約束していたNachsorgeを拒否したことに、私と旦那は大きなショックを受けました。
 
ドイツにはヘバメによるNachsorgeという制度があるからこそ、産院では退院後の事は何も教えてくれません。
 
また日本のように、2週間検診などもありません。
 
退院後は1ヶ月検診まで、医者や助産師に診てもらう機会はありません。
 
沐浴の仕方やへその緒のケア、母乳の出具合や私の帝王切開の傷口のアフターケアに至るまで、すべてヘバメのNachsorgeありきで考えられているのです。
 
はじめての出産・育児で、何をどうしたら良いのかよく分からないことだらけ。
 
それゆえNachsorgeをTさんにお願いしていたのに、それを直前で拒否されてしまった。
 
、、、私達の選択が間違っていたのか?
 
大きなストレスを感じながら、それでも私は入院生活を続けるべきだったのか。
 
やっと入院生活や不親切なヘバメから解放されたのに。
やっと家族3人での穏やかな生活が始まったのに。
 
なぜまたヘバメで悩まされないといけないのか。
 
この時、私達は悲しみや怒りで憔悴し切っていました。
 

別のヘバメに電話で話を聞くことに

Tさんとのやりとりを旦那が友達に説明したところ、彼の友人だというヘバメさんを紹介してもらいました。
 
彼女は別の都市に住んでいるのでアフターケアに来てもらうことは出来ませんが
今回の件について他のヘバメからも話を聞いてみたかった ので、彼女と電話で話をすることになりました。
 
友人の友人であるそのヘバメさんは穏やかで優しくて思いやりに溢れていて、私が産前に想像していた『助産師』そのものでした。
 
そんな彼女が言うには
『妊娠中からNachsorgeの約束をしていたのに、産後にヘバメからドタキャンするなんてあり得ない。そんな話は聞いたこともない。』 ということでした。
 
また『産後の生活について何か話したいことがあれば、いつでも相談に乗るからね』とまで言ってくれました。
 
、、、助産師という職業に絶望し嫌悪さえ感じはじめていましたが
ヘバメにもこんな人がいるのだと思うと、胸が温かくなりました。
 

私達の選択は間違えてなかった

結局
退院翌日から息子の体重は増加の一途を辿り、産後13日目には無事出生体重を超えました。
 
友人が紹介してくれたヘバメさんは
『いろんな人がいろんな事を言うが、子どもに関しては両親が感じた直感を1番に信じるべき。それを忘れている親が最近は本当に多い』 と言いました。
 
入院生活は私にとってストレスで、それが母乳の出の悪さに繋がっていると考えて退院したわけですが
結局私達のその直感は間違っていなかった ことが証明される形となりました。
 

まとめ(とグチ)

というわけで、今回の記事では
妊娠中から産後のアフターケアをお願いしていたヘバメにドタキャンされた話 を書きました。
 
最初に書いた通り、Nachsorgeのヘバメは出産の何ヶ月も前から予約するものです。
 
私も出産の5ヶ月前には、Tさんに産後のアフターケアをお願いしていました。
 
それなのに
いざ子どもが生まれてきてから『引き受けられない』とは。
 
確かに、退院についてヘバメに相談しなかった私達も悪いのかもしれません。
 
でも私もその時は新生児の息子のことでいっぱいいっぱいだったし
むしろその状況で「産後のアフターケアのヘバメに連絡しなきゃ!」ってなる人が一体どれだけいるのか。
 
産前に1度しか会ったのとのないヘバメとそこまで緊密に連絡を取り合わなければいけない、なんてことも知らなかったし。
 
そもそも
Tさんに退院について相談した所で、彼女は一体私達に何と忠告したでしょう。
 
『生理的体重減少が許されるのは10%までだから、体重が増えるまで入院しなさい』と、私達の意見は無視して説き伏せたでしょうか。
 
、、、そんなこと言われても退院はしたと思うので、結局私達とTさんが合わなかっただけなのかな。
 
 
もちろん、ヘバメにもNachsorgeを拒否する権限はあると思いますが
それでも1度引き受けた仕事を一方的にドタキャンするTさんのやり方は、プロの助産師とは思えない。
 
しかも私の場合、息子の体重減少は私の母乳不足が原因であることは割と明らかだったんですよね。
 
母乳信仰の強い産院で、ミルクを足し始めたのが退院の前日だったんですが
退院前日までは前の日に比べて120gも減っていた息子の体重が、退院日には20gしか減らなかったんです。
 
母乳神話にこだわらず助産師がもっと早くミルクを足す指示を出してくれていれば体重はもっと早く増えただろうし
そもそも産後すぐに十分な母乳が出ないというのはよくあるトラブルですよね。
 
ましてや息子は4kg近くのビッグベビーだったので、彼の大きな体に私の母乳生産量が追い付かないことだってそりゃありますよ。
 
『赤ちゃんの体重が減って責任が取れないから』 という理由だけで産後のアフターケアを拒否するのであれば、もっと深刻な問題を抱えて産まれた赤ちゃんやそのママにはどんな対応をするんでしょうか。
 
『あなたの赤ちゃんは健康に産まれなかったから、やっぱりアフターケアには行きません』とでも言うつもりなんでしょうか。
 
、、、どちらにしても
息子の体重が増えない責任を助産師に押し付けるつもりなんて毛頭ないですよ。
こちらとしては。普通に考えて。
 
退院後、もし息子の体重が減り続けるようなら病院に戻る予定だったし。
 
それなのに、私達の話も聞かないで『責任取れないから降ります』というのは
ヘバメ自身の保身のため としか思えないんですが。
 
Tさんにとってはお金を稼ぐための仕事だというのは分かりますが
だったらなぜ彼女は助産師になることを選んだのか。
 
生まれたての赤ちゃんとママを守るため?
それとも、助産師としての力を新米ママとパパに誇示するため?
 
それとも、TさんがNachsorgeを断ったのは私が外国人だから?
 
『外国人のくせに医者やヘバメの忠告を無視して退院するなんて生意気だ』とでも思ったんでしょうかね。
 
、、、Tさんは多分、病院にいる他のヘバメから私達に対する悪口でも聞かされたんじゃないか、というのが私と旦那の考えです。
 
居たんですよね、病院に。
そういう事しそうな助産師が。
 
私は見た目からして外国人だし
私の旦那はドイツ人ですが、自分が納得できないことに関してはその道のプロであろうとも意見するような可愛げのない所があるので。
 
でもそれも、Tさんが私達を拒否する正当な理由にはなり得ない ですよね。
 
5ヶ月前にはNachsorgeを正式に受け入れてくれて、私の保険証の番号まで控えていったくせに
その時々の感情で考えを変えられては、こちらとしても非常に迷惑。
 
 
、、、と
こんな所でウップンをぶちまけてしまいました。
 
愚痴ばっかりで、お目汚し失礼しました。
 

最後に

最後に
Tさんに断られた後のNachsorgeヘバメをどうしたかですが。
 
ドタキャンしたTさんに事情を説明して来てもらうか。
 
それとも、今から他のヘバメを探すか。
 
もしくは、ヘバメによるNachsorgeはなしでやるか。
 
私達は結局
ヘバメの助けなしに産後の育児を行う ことにしました。
 
いろいろ考えたし、いろいろ検索したし、いろんな人に話も聞きました。
 
旦那の両親や、友人に紹介してもらったヘバメさんにも『今からでも他のヘバメを探してみた方がいい』と言われましたが
今ではどんな情報でもネットで手軽に検索することができるし、そもそも何かあったら小児科なり産婦人科なりに行けばいい話でヘバメの必要性をあまり感じなかったので。
 
私自身がヘバメによるNachsorgeの習慣のない国出身だということもありますが。
 
現在、産後から1ヶ月半が経ちますが
息子は幸い、ヘバメなしでもすくすくと育っています。
 
体重も順調に増えてますし、体も無事プニプニしてきました。
 
私の産後の肥立ちも順調です。
 
もちろんプロであるヘバメに聞きたいことや、様子を見に来てくれたらいいなと思ったことはありますが、、、
ヘバメ自身がストレスの元になるようであれば、来てもらわない方がマシ。
 
そもそもヘバメ不足でNachsorgeを受けられない家族や、ヘバメと合わなくて結局1回しか来てもらわなかったという話もある位なので。
 
 
、、、結局その後、Tさんからは何の音沙汰もありません。
 
責任なんだかんだというよりは、Tさんは本当に私達のことが気に入らないんだなぁ という感じ。
 
私達がごく一般的なドイツ人家族じゃないからか、田舎に引っ越してきてから理由もなく人に嫌われるということがかなり頻繁に起こっています。

 

反抗的な態度を取ったり、無愛想にしてるつもりは全くないんですが、、、一体何なんですかね。
 
長くなりましたが、読んでくださりありがとうございました!
 
 
おわり!

コメント

  1. yaoutaky より:

    はじめまして!
    いつもブログ楽しく拝見してます。
    私も9月末に第1子(男の子)を出産したので、
    産後何もわからない状態ホントに共感できます。
    言葉や文化の違う海外で産み育てるのは
    ご苦労も多いと思いますが、頑張ってくださいね!
    次の更新も楽しみにしています。

  2. frau より:

    はじめまして。5歳児(♂)のママです。
    我が家も日独夫婦、日本で出産(同じく緊急帝王切開)して日本で子育てから、2年前にドイツに引っ越してきました。
    ブログ拝見していて自分の出産当時を思い出しました。いろいろ心配だしホルモンバランス崩れるはで心身大変ですが、赤ちゃんの温かさやにおい、何よりも愛おしさには敵いませんよね。産後体重減少は自然なものなのでそう気になさらずに。それにしてもそのヘバメなんなんでしょうね!逆に事前に嫌な人ってことが発覚してよかった、みたいな。前向き、前向き!長く感じるけど短い乳児期を味わって下さいね!
    ムリなく、次のブログも楽しみにしています^ – ^

  3. Katzi より:

    はじめまして。ブログ読ませてもらってます。
    うちもドイツ在住の日独夫婦です。子供はもう小学生ですが
    …うちは出産時、夏休みのピークだったのか全くヘバメが見つからず、結局ヘバメなしで行きました。私はよく知らないひとがうちに来ることがストレスなタイプなので、いなくて気楽でむしろ良かったですw
    問題も特になかったですよ。なんかあったら婦人科で聞いてました。
    出産した病院ほんと大変でしたね。私も母乳がなかなか出ず、苦労しましたがわりとすぐミルクを出してくれる病院だったので良かったです。
    あんまりにも出なかったので結局ミルクで育てましたが、母乳信仰に当時はイラついて日本から送ってもらった〇〇式とかの本はやぶり捨てましたww 嫌なひとのことは忘れて、なるべくストレスなく赤ちゃんと今だけの時間を楽しめますように…

  4. akane1033 より:

    yaoutakyさん、はじめまして&コメントありがとうございます!
    ブログ読んでいただいて嬉しいです(o^^o)
    そしてyaoutakyさんも息子さんを出産したばかりなんですね!おめでとうございます♬
    産後はホント、はじめてのことだらけでワタワタしますよね(^◇^;)私はめっちゃ検索魔になってるんですが、日本とドイツだとまたやり方が違うことなんかもあって混乱の毎日ですw
    最初の一ヶ月で大変な時期だと思いますが、お身体大事にしてくださいね!お互い頑張りましょう٩( ‘ω’ )و

  5. akane1033 より:

    frauさん、はじめまして&コメントありがとうございます!
    frauさんもドイツで子育て中なんですね!お仲間さんからのコメント嬉しいです(*´ω`*)
    そうなんですよ!産後はホルモンにも振り回されてトゲトゲしてるのに、助けてくれるはずのヘバメから更なるダメージを受けた感じです(*_*)
    でも確かに、事前に分かって良かったとポジティブに考えるべきですね!
    幸い息子はとっても可愛いので、クンクンしながら癒されたいと思います、、、(笑)
    はい!今後もよろしくお願いします♬

  6. akane1033 より:

    Katziさん、はじめまして&コメントありがとうございます!
    Katziさんもヘバメなしで行ったんですね!同じ経験をされた方がいてとても心強いです(´;ω;`)
    ヘバメがいなくても特に問題もなかったということで、非常に励まされました♬そうですよね、なんかあったら日本みたく病院で聞けばいいだけですもんね!
    母乳信仰はホント、出ない側からするとイライラしますよね、、、。それにしても、○○式の本を破り捨てたとはww カッコいいです(*゚∀゚*)
    産後しばらくはトラウマみたくなってましたが、役立たずなヘバメの事は忘れて育児楽しもうと思います!ありがとうございます^^

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