12月6日、最高裁で「テレビがあればNHKの受信料は義務」という判決が初めて下されました。
テレビがあるのに受信契約を結んでいない世帯や事業所は全国で約1千万件ほどあるそうで、今後の展開が非常に気になります。
そんなNHKに関するニュースを見ていて
私が住んでいる国・ドイツのNHKに対する怒りが再燃しました。
今回の記事では
そんなドイツ版NHKに対する怒りについて書きます。
というか、グチります。
※現在ドイツで公共放送の受信料を徴収しているのはARD ZDF Deutschlandradio Beitragsservice(ARD・ZDF・ドイツラジオ会費サービス)という団体ですが、2012年まではGEZ(Gebühreneinzugszentrale、受信料徴収本部)という団体が受信料の徴収を担当していました。
GEZという団体はもう存在しないのですが、「テレビ・ラジオの受信料の徴収」というとドイツ人は未だにGEZという単語を使うので、本記事では受信料を徴収する団体をGEZと呼びます。
ドイツの公共放送
ドイツにも日本同様、公共放送というものがあります。
ドイツの公共放送はいくつかありますが
テレビで全国放送されているのが、ドイツテレビの1チャンネルと2チャンネル。
1チャンネルがARD*1
2チャンネルがZDF*2と呼ばれます。
公共放送の受信料
これらの公共放送は、日本のNHK同様住民からの受信料でまかなわれています。
その額、月17.50ユーロ(約2340円)。
ちなみに、NHKの地上契約は月1260円*3です。
ドイツの受信料、高っっっっ!!
2013年、ドイツでの受信料徴収の仕組みが変わった
2012年までは、ドイツでの受信料支払いは登録された機器ごとでした。
つまりテレビやラジオ、スマホごとに受信料が徴収されていました。
しかし2013年からは、住居ごとの支払いにシステムが変更になりました。
つまり家にテレビが何台あるか、逆に言うとテレビを持っていなくても、住居ごとに受信料を支払うという風にシステムが変わりました。
1人1台スマホを持っているのが当たり前の時代になったので、住居ごとの支払いに関しては良い面もありますが
問題は、テレビを観ない人も受信料を払わなくてはいけなくなったこと。
そしてシステム変更により受信料徴収が厳しくなり、受信料の支払いが実質義務化されたこと。
私 vs GEZの戦い
2011年からドイツに住み始めた私にも、2013年になると公共放送受信料の催促状がやってきました。
しかもなぜかドイツ人の旦那にではなく、私にだけ。
最初はガン無視してた
だってうち、テレビないし。
ドイツ語の出来ない私は、ドイツのメディアなんか全く観ない・聞かないし。
唯一観るのはサッカーのワールドカップぐらいですが
それも近くのバーに行ってビール代を払えば観られるし。
当時は新しい受信料徴収のシステムをよく知らなかったというのもありますが、とにかく突然やって来た公共放送受信料の催促に対し
「サービスを利用していないのになぜお金を払わなくてはいけないんだ!」とすごく怒ったのを覚えています。
で、GEZから来た手紙は無視。
催促がしつこい
でも、GEZがすごくしつこかった。
1ヵ月に1~2通、催促の手紙がうちにやってきました。
1ヵ月受信料を払わないと罰金が上乗せされて
手紙に「払えよ!」と書かれる受信料の額は、毎月毎月増えていきました。
それでも、しばらくは無視してたんですよね。
引っ越し!やっと催促から逃れられる、、、と思いきや。
そのうち引っ越すことになって
「これでGEZの煩わしい手紙がからも解放される、、、!」と思ったんですが。
引っ越した先にも、ちゃんと手紙が届きました。
ちゃんと私宛に。ちーん。
GEZに手紙を書いた
GEZのやり方に納得いかない人はドイツ人にも多いようで
ネットにはあの手この手でGEZを回避しようとするサイトがたくさんありました。
私もその中の1つを参考に、GEZに手紙を書いてみたりもしました。
「私は外国人でドイツ語もあんまりよく分かんないし、あなたのサービスは使っていないので受信料は払いません。」
、、、と書いてやりたかったのですが
サイトによると、そんな情に訴えかけるやり方は全く通用しないんだとか。
結局、「受信料の支払いを現金で行いたい」という旨の手紙をGEZに送ったことがあります。
GEZの支払いは基本銀行振り込みかカードしか受け付けていないようで
現金支払いを申し込むと、GEZがめんどくさがって対応を後回しにしてくれる、、、とか何とかいう情報を見たもので。
結局、GEZからは「銀行振り込みしか受け付けません」一点張りの手紙が返ってきました。
結局、GEZからは逃げられなかった
手紙作戦が失敗した後もしばらく(たぶん1年くらい)GEZの支払いから逃げ続けたんですが
結局、最後は逃げられませんでした。
原因は
GEZが手紙で「受信料支払わないと銀行口座止めるぞ!」と脅してきたこと。
「まさか受信料を徴収する会社がそんなこと出来るはずないだろ、、、」と思っていたんですが
ネットでは「実際に銀行を止められて困った」という話も見かけるようになり、結局GEZを支払うようになりました。
GEZに怒っていること
サービスを利用しない人のことを全く考えていない
日本のNHKでも言われることですが
「サービスを利用しないのになぜお金を払わなくてはいけないのか」ということですよね。
ドイツの場合は、もっと悪質です。
日本だとテレビ持ってなければ受信料は支払う必要がありませんが
ドイツだと住んでいるだけで受信料の催促がやってきます。
サービスを利用しているとかしてないとかは、関係ない。
有無を言わさず、受信料の催促。
ドイツに住んでいる限り、「サービスを受けない」という選択肢すら与えられないのです。
GEZ払いたくなければ、ホームレスにでもなれってことかよ、、、。
番組がおもしろくない
「利用者の選択の自由」に関係することですが。
そりゃテレビがあって、毎日おもしろい番組放送してるなら観ますよ?
そして受信料も払いますよ?
でもドイツの公共放送の番組が、どうしても好きになれない。
ニュースはまぁいいとして、特にドラマ。
ドイツ人の趣味なのか何なのか、とにかく暗い。暗すぎる。
「Tat Ort」という、ARDで毎週日曜8時15分から放送している刑事ドラマがあります。
これはドイツ版「相棒」のようなもので、ドイツ人には人気のある番組らしいですが、、、
ただ、もう暗い。
みんな不幸。だーれも幸せにならない。
放送している音を聞くだけでも嫌気がさすので(悲鳴・鳴き声ばっかり)
旦那が観始めると家の中のなるべく遠い部屋に避難します。それくらい嫌い。
映画なんかもなぜかドイツ語吹替しかなく、字幕では見られません。
これも吹替大好きドイツ人の志向に合わせてるんだとは思いますが、それにしても字幕派の私はモヤっとする。
テレビ番組の質自体は、ドイツ人じゃなくドイツ語がパーフェクトではない私には分かりませんが
全く好みではないのに、なぜこれにお金を払わなくちゃいけないのか、、、と思うとイライラします。
なんだか、使い回しも多いし。
普通の放映時間の枠で再放送とか、普通にあります。
「相棒」みたく、平日の午後に再放送するならまだ分かりますが、、、。
どうやって住所(個人情報)を手に入れているのか?
ドイツには引っ越して1週間以内に新しい住所を役所に届け出なくてはいけないという法律があるんですが
どうやらGEZはその役所から住民の住所の情報を得ているらしい。
いつからそんな事になったのか。
役所が人の住所を勝手に違う会社に渡していいものなのか。
プライバシーポリシーはどうなっているんだと、非常に怒りを感じます。
現金支払いを受け付けない
そもそも公共料金の支払いなのに銀行振り込みしかダメってどういうことなんでしょうか、、、。
銀行に口座ない人はどうするんでしょう。
一方日本のNHKなら、コンビニや郵便局などからの振り込みにも対応してくれます。
これなら銀行口座持ってなくても大丈夫。
思うに、GEZは住民の銀行情報を差し押さえようとしているんでしょうね。
1度銀行口座が分かれば、否応なしにそこから受信料を引き出すことが出来るので。
「銀行口座止めるぞ!」という脅し
そもそもドイツでは、給料の支払いも銀行がないと出来ません。
給料を現金手渡しとかはダメ。
生活に必要な給料はすべて銀行に振り込まれるので
銀行口座を止められると、生活できなくなります。
上記の「現金を受け付けない」にも関係することですが
銀行をコントロールすることにより、有無を言わさず受信料を徴収する仕組みになっている。
汚い。やり方が本当に汚い。
やくざかよ、、、、、。
全住居から受信料を徴収しておきながらCMがある
NHKには、テレビ内での広告がないですよね。
だから住民からの受信料で経営してるってのはまぁ、分からなくもないんですが
ドイツの公共放送の場合、テレビ内にも普通にCMがあります。
「CMは1日20分以内」という規制があるにはあるようですが
でも受信料払って、なおかつしょーもないCMまで見せられると本当に腹が立ちます。
まとめ
今回の記事では
ドイツ版NHK「GEZ」に怒っていることについて書きました。
最高裁で「テレビがあればNHKの受信料は義務」という判決になりましたが
日本のNHKが、ドイツのGEZのように傲慢で、利用者の事を考えないようなやり方をするようにならないことを祈ります、、、。
おわり!
コメント
きりんあっぷさん、コメントありがとうございます!
いやぁ、本当に理不尽ですよね、、、。現在は払ってるので観てますが(主に旦那が)、私はどうも好きになれません(汗)
調べてみると、テレビで受信料+CMも採用してる国はドイツの他にも韓国、フランス、イタリアなどがあるそうです。日本はそうなって欲しくないですね、、、。
これはもう、受信料を払っているのだからテレビ見つくせ!みたいに気持ちの方向転換をするしかないですね。
探してみると案外面白い番組もありますよ!個人的にはZDFで金曜日の夜にやっている政治の風刺コメディーみたいなのが好きです。あとはARDで夕方6時からやっているクイズ番組とか。いつも夫と一緒になって答えています。笑
Mopsさん、コメントありがとうございます!
おお!貴重な情報ありがとうございます!!_φ(・_・メモメモ
確かに、せっかくお金払ってるので観ないと損ですよね(^◇^;)来年のワールドカップはARDとZDFが放映権獲得したみたいなので、全試合観尽くす勢いで行きたいと思ってます!笑
ところで、wordpressに移行されたのですね!見逃してた、、、!今後も参考にさせていただきます(o^^o)
ここまで極端だと、誰が何のために作ってるんだろうみたいのが分かってしまって、逆にすがすがしいってことはないですか、そんなことないですか。すみません。ドイツの国営放送、見てみたいです。YOUTUBEとかにはないのかな?
ninjaid2000さん、コメントありがとうございます!
確かに、NHKみたく「あの人は払ってないのになんで私は払わなきゃいけないの!」みたいのもないですし、清々しいと言えば清々しいですねw
ドイツの国営放送、YOUTUBEにもチャンネルありました!1chが「ARD」、2chが「ZDF」というチャンネル名です!ただドイツ国外から観られるのかどうかは不明ですが、、、。
けど、このようなオプトアウト式の徴収方法は視聴者を騙して受信契約をさせるNHKのやり方に比べればずっと良心的なのですよ。
受信料を徴収している他国の公共放送はこのやり方です。
それが嫌なら、差支えがないなら台湾かアメリカにでも移住されてはいかがでしょうか。
ryorakuさん、コメントありがとうございます!
ドイツのようなTV受信料徴収方法を「オプトアウト式」と言うのですね!知りませんでした!
確かに視聴者を騙して受信契約をさせない分、ドイツはNHKよりは良心的ですね。
オプトアウトという言葉からすると、「観たくない人は受信料の支払いを拒否できる」ようなニュアンスを感じます。視聴者自らが選べるようになればいいなぁとは思いますが、なかなか難しいのでしょうね、、、。
最近は公共放送で放送されるワールドカップを観まくっているので、それでヨシと納得することにしていますw
一時はドイツ公共放送のこのやり方に怒っていましたが、受信料の徴収方法が嫌だというだけの理由で移住地を決められないのが辛いところです、、、(;´・ω・)
あかねさん、初めまして。突然のコメント失礼いたします。ドイツテレビの受信料について調べていてこちらに辿り着きました。
主人の研究留学に帯同してドイツに来てから半年が経ちました。この通知、確かに住民登録後すぐに来たような気がするのですが、我が家もテレビがなく、ドイツ語の番組など見るわけもなかったので、当初は良くわからずスルーしてました。その後、VISA取得にあたりつい最近まで領事館を挟んで役所と揉めていて(対応がいい加減すぎる、、、)、こっちが正しい手続きしてるのにVISA はおりない、そのくせ訳のわからない支払い通知はくる!ふざけるな!と思って、無視してたんですよね。ただ、ようやくVISAもおりたし先日テレビも我が家にやって来たのでそろそろ払おうと思います、、、
ちなみにあかねさんは1年近く無視してたとありますが、最終的には滞納分まとめて払ったのでしょうか?
一番最近の通知には滞納と思われるちょうど6ヶ月分の金額が印刷された振り込み用紙が入っていて、添付文を訳したところ、これを無視したら延滞金払わせるぞ的なことが書いてあります。ちなみに宛名は私宛で、主人は銀行口座ありますが私は口座開設してません。
chuppuriさん、コメントありがとうございます!
同じくドイツ在住の方からのコメント、嬉しいです!
まずはVISA取得の件、本当にお疲れ様でした、、、。゚(゚´ω`゚)゚。ドイツのお役所は本当に態度悪いですし、しかも滞在許可はくれないくせに金は払えとか一体どこのヤ○ザ!?って感じですよね、、、。
さて、GEZについてですね。私は厳密には、滞納した分を何回かに分けて支払いました。催促が怖くなって滞納分(+滞納金)を払う→でもやっぱり納得いかなくてまた滞納→催促が怖くなって滞納分(+滞納金)を払う、、、というのを2〜3回やりました。どう考えても滞納金のムダなんですが、その頃は本当にどうしても納得できなくて(^◇^;)
chuppuriさんの場合も、まずは一番新しい催促の手紙に同封されている振込用紙から今までの分を払って、それからネットで口座引き落としの手続きをされるのがいいかと思います(もししばらくドイツに滞在予定であれば。短期であれば、その都度振り込みの方が解約時に楽かもです。)
GEZの支払いは1世帯ごとなので、chuppuriさんが旦那様と同じ場所に住んでいるのであれば旦那様の銀行口座で大丈夫なはずですよ!
ドイツ語のめんどくさ〜い手続きですが、ゼニさえ払っていればその後特に何か言ってくることはありません(´ー`)笑 お役に立てれば幸いです!
金額によりますかね。ユニバーサルサービス料並みの価格なら文句言う人はマイノリティになる。
Ryorakuさん、コメントありがとうございます!
確かに、ユニバーサルサービス料並みのほんの数円なら文句言う人はあんまりいないでしょうね(^◇^;)
というかドイツのNHKは番組と番組の間にガッツリCMも挟んでくるし、一体何のためにドイツ中の全家庭からお金を徴収してるのか謎です、、、。
紙の内容にラジオ、パソコン、携帯、テレビを持ってる人は払えみたいな内容だった気が
Takさん、コメントありがとうございます!
それは日本のNHKでの事ですかね?
ドイツのは世帯ごとの徴収なので、どんな電子機器を持ってようが持ってなかろうが関係ないみたいです( ;∀;)
ついにNHKも本格的にそうすることを目論んでおりますね!そこで総務省も漸く重い腰を上げたのか2019/12/8迄「パブリックコメント」を受け付けておりました。
私も文字数2000文字までの内、1998文字になるまでこれまでのNHKに対しての憤慨を書き込み、ネット同時配信やカーナビ1台につき1契約、更に腹立たしく思うのが公務員ではないので懲罰がなく、報酬も4,50代で年俸約¥1,700万円!自衛官や警官、海保や消防官、また保健所での動物の世話等されている方々の報酬は公務員法で決められているので、其の半分以下いや1/3位がいいところ。NHKは地上波衛生合計で約¥5000近くになりますし、衛星は国家予算からも出ておりましたし、視聴するためのインフラも個人でしなければならず、毒波垂れ流しで下らな過ぎの放送局。結局韓流広めたのもNHK、歴史歪曲や自虐史観を率先しているのも間違いなくNHK。ドイツもこいつ(NHK)も金の亡者だらけですね。西洋でもドイツはもっと健全だと思っていましたよ。